祝 開院 和田美智子院長インタビュー 

代表の比嘉忠男です。

昨日はFM沖縄ラジオカーの取材に私も同席させて頂きましたが

本日弊社がお手伝いさせて頂いた

みちこ女性クリニックがお陰様で開院となりました。

 

朝、ご挨拶に訪問した弊社企画室の嘉数から

開院初日ですが、15分間隔で事前予約でいっぱいとの連絡もございました。

 

企画段階から和田美智子医院長のお人柄もあって

沢山の方々の支援もあり、理想のクリニックへと近づけたと思います。

 

今後も、みちこ女性クリニックとご縁を頂いた皆さんが、笑顔いっぱいで

心穏やかにお過ごしいただけますよう私たちもサポートを続けて参ります。

関係者の皆様へ心から感謝申し上げます。

少し専門的な内容ではございますが、以下に

和田美智子医院長のインタビュー内容をご紹介いたします。

 

 

 

Q まずは婦人科診療についてご説明いただけますか。

 

A  まず、大切なことは、「産婦人科は妊娠したら行くところ」というわけではない、

ということです。様々な症状や理由で受診されます。

出産を取り扱う施設で外来をしていると、がん検診の患者さんから、『ここは更年期も見てくれるんですね。出産とがん検診だけだと思っていました。』などのお言葉をかけられることがあります。

産婦人科は、子宮や卵巣から外陰部といった臓器と、これに影響を及ぼす内分泌疾患を取り扱う、外科と内科の中間のようなところです。

がんや良性の腫瘍の診断や治療、感染症の診断や治療、あらゆる年齢でのホルモンバランスの乱れから起こる不調の原因の検索やその方の状況に合わせた治療をしていきます。

一般産婦人科外来で初診される方の理由では、かゆみや、においといったおりものの症状と不正出血や月経不順、過多月経といった、いわゆる生理の異常が多くいらっしゃいます。

 

 

Q かゆみ、においの異常で受診される方も多いとお聞きしました。

原因と対処方法について教えて下さい。

 

A  かゆみの原因疾患で一番多いものは、圧倒的にカンジダ感染症です。

あらゆる年代の方で、体調を崩した、免疫力が下がった、などどいった状況で発症します。具体的には、疲労がたまったとき、風邪や膀胱炎にかかったとき、そのために抗生剤を飲

んだ時などに発症します。

注意したいのは、カンジダは、外からやってくるわけではありませんので、体力が落ちた時に顔を出してくる感染症である、という点です。腸の中や外陰部や膣内には無数にバランスよく菌が生息していますが、その中にカンジダも含まれていて、除菌できるわけではありません。

症状を起こした場合に、適切な診断と治療をすることで、症状を改善します。

カンジダ以外のかゆみの原因としては、ほかの菌による腟炎外陰炎や性感染症ですが、最近は光脱毛を受ける方も多いですが、脱毛後は特に、皮膚の乾燥を起こしやすく、皮膚があれることで炎症の原因となります。

結局、感染を直しても、皮膚が乾燥によって荒れやすくなっていることで、すぐに繰り返してしまうわけなので、感染の治療の後には皮膚の状態を健康に保つためのスキンケアが大切です。

 

 

 

Q  月経不順や過多、不正出血などのご相談も多いのでしょうか。

 

A  予定の時期ではないのに出血したり、出血の状態が違っていたり、何かの病気ではないか不安になる症状だと思います。

月経が規則的におこるためには、まず排卵が規則的に起こらないといけないです。

排卵の約2週間後に子宮からの出血、つまり月経が起こるようになっているためです。

中には無排卵周期で規則的に出血が起こる方もいらっしゃいますが、不正出血や生理不順の場合、理由の大半が排卵が不規則であることになっています。

その他の出血を起こす疾患としては、子宮頸部や子宮内膜のポリープや子宮筋腫、子宮腺筋症といった腫れ物関係とか、頻度は少ないですが、子宮頸がんや子宮体がんといった子宮の悪性腫瘍のこともあります。

悪性のがんなどの病気であればもちろんすぐ受診して治療したほうがいいと思われるでしょうけど、排卵がうまく行かない月経不順の場合でも、良性のポリープや筋腫や腺筋症などであっても、放置するとそれぞれ重大な不都合を起こすことにつながります。

不正出血に関しては、原因の確認のためにその時に受診されるのをおすすめします。

 

 

 

Q    最近テレビなどで子宮頸がんについてよく紹介されていますが、

どのような対策があるのでしょうか。

 

A    子宮頚がんは、ほかのがんよりもいち早く、ウイルスが原因であると突き止められたがんです。これを突き止めた産婦人科の先輩たちには敬意を表したいと思って日々診療しています。

しかも、近年ではワクチンでの予防も進んできましたが、子宮頚がんは、古くから、適切に子宮頚がん検診を受けることで、がんの発症を予防することができます。これは画期的なことだと思います。

どうしてかと申しますと、近年女性に増えてきている乳がんなどを含め、ほかのがんの検診では、がんを初期で発見することで、最小限の治療で完治させることを目的に治療を行っていきます。

子宮頚がんを引き起こすヒトパピローマウイルスは、いったん感染しても8割は治癒するといわれています。ウイルスには200以上の型があって、そのうちがんに発展しうるハイリスクタイプといわれるのは十数種といわれています。感染の後10年ほどかけて子宮頚がんになっていくといわれていて、がんになる前の段階で発見されれば、子宮全摘などの大掛かりな治療をせずになおすことができます。そういうわけで、全く異常がなくても2年ごとにがん検診を行っていくことで、感染の初期に発見して対応することができて、がんの予防につながります。

子宮がん検診異常には、主に軽度異常、高度異常、癌の段階があります。異常の場合、この段階に応じて追加検査や必要に合わせた治療を行います。

一番軽度の異常であれば、ハイリスクタイプのヒトパピローマウイルスに感染しているかどうかを確認する検査をします。ウイルス検査が陰性であれば通常のがん検診が推奨されています。

もしウイルス検査が陽性であれば、続けて、子宮頚部の拡大鏡検査、コルポスコピーによって病変の状態を確認して、病変があれば組織採取、生検をして、顕微鏡検査、病理検査を行います。

がん検診の結果が高度異常の場合は、最初からコルポスコピーと病理検査を行います。拡大鏡、組織採取、顕微鏡検査の流れですね。

病理検査によって、子宮頚部の病変の段階が判明します。一応申し上げますと、軽度異形成、中等度異形成、高度異形成、上皮内癌、子宮頚がんの診断がなされることになります。

軽度や中等度異形成の場合、ハイリスクタイプのウイルスのなかでどの型に感染しているのかを確認する検査を追加し、治る見込みがあるので経過観察をしていくことが一般的です。高度や上皮内癌の場合には、子宮頚部円錐切除術が推奨されています。

子宮頚部円錐切除術は、膣の中に確認できる子宮の表面の部分をうすく削り取ってしまうという、体への負担は強くない手術です。この手術で削り取った部分を病理検査、顕微鏡検査に提出して、病変の詳しい程度や範囲を確認し、きちんとすべて取り切れていれば治療にもなる、という方法です。ただし、一人の人にこの手術は多くても2-3回までが限界で、術後に早産のリスクや難産のリスクがあるといわれていて、繰り返して治療が必要となった場合には最終的に子宮全摘となってしまいますので、軽度や中等度の場合に子宮頚部円錐切除術を行うことは原則的にはありません。ウイルス感染による病気なので、人生のうちに何度も繰り返す可能性があるので、軽度の場合に行うと何度も手術が必要となってしまい、早い段階で子宮全摘が必要になる可能性があります。ほんとうの癌になるまでに10年かかるうえに、8割程度は治る見込みがあるため慌てずに経過観察を行って、病変が進行するようなら子宮頚部円錐切除術を行う、という方針が一般的です。

最近では、円錐切除術による子宮のダメージをより軽減するために、子宮頚部を薬剤で焼いてしまう方法や、レーザーで焼いてしまう方法が開発されています。

 

最初に一言触れましたが、ヒトパピローマウイルスの予防ワクチンが開発されています。よくある誤解は、性交渉を一度でもしてしまったら効果がないのではないか?という質問で、医療機関でもこの誤解をされている施設もあるようです。このワクチンは、今後新しくヒトパピローマウイルスに感染するのを予防するためのワクチンなので、本来、いつでも接種してよいワクチンです。逆に、今感染している場合、それをなおす力はありません。

日本では、小学校6年生から高校1年生までの女子に無料で公費で受ける補助があります。

また、平成9年年度から平成18年年度生まれ、おおよそ現在26歳までの方は、公費負担の延長の制度、キャッチアップ接種といわれる制度があって、これまで3回受けていない場合、令和7年3月末までの間は公費負担でワクチンを受けることができます。

最新のワクチンは9価ワクチンといわれ、ハイリスクタイプの9割をカバーするようになっていますが、1本の価格が数万円します。もちろんその価値はあるワクチンですが、現実問題としては公費負担がないと、なかなか受ける気にならない価格だと思います。

是非対象の年齢の方は、ワクチンを受けていただきたいと思います。

ちなみに、以前、子宮頚がんワクチンの副作用が疑われていた特有の症状、体が痛くなるとか力が入らなくなるなどの症状については、別の疾患であるとの研究結果がでたため、ぜひ怖がらずにワクチンを受けていただきたいと思います。ただし、確かにワクチンはお薬ですので、一般的なお話としてどのような副作用が起こるかは分かりませんので、万一の場合のための防接種健康被害救済制度も設けられています。

もちろんワクチンを打たなくても、子宮がん検診を受けることで子宮頚がんは予防できますし、ワクチンで予防できないあと1割をカバーするためには子宮がん検診が必要ですし、ぜひとも定期的な子宮がん検診を受けていただきたいと思います。

 

みちこ女性クリニック医院長

和田美智子先生のインタビューでした。

 

 

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