土地区画整理事業とは?

こんにちは!

企画室の上原優です。

今回は「土地区画整理事業」についてお伝えします。

土地区画整理事業とは?

公共施設である道路、公園、河川などの整備・改善を行い、土地の区画を整理して宅地利用の促進を目指す事業です。

また、公共施設が不足している地域においては、地権者からその権利に応じて段階的に土地を提供してもらい、この土地を道路や公園などの公共用地の拡充に利用するほか、一部を売却して事業資金の一部に充てる制度です。

沖縄県の現在施工中の区画整理事業

・浦添市の前田駅、てだこ浦西駅周辺

 最近では、イオンスタイルてだこ浦西駅前ができ、賑わってきています。

・浦添市南第一、第二地区

 浦添警察署周辺や、昭和薬科大学付属高校の近くも工事が進んでおります。

・宜野湾市西普天間住宅地区

 琉球大学病院が移転し、来年1月に開院予定となっております。

・西原町西地区

 マックスバリュ坂田店の周辺も工事が進んでいます。 

その他にも、南風原町津嘉山などもあります。

1953年に那覇市が戦災復興を目的に着手した美栄橋地区が、沖縄県の初めての区画整理事業となり、そこから多くの区画整理が行われてきました。

これまでの区画整理事業

・那覇新都心

今ではたくさんの商業施設がある那覇新都心も、戦後は米軍住宅地と使用されていましたが、1987年に全面返還され、土地区画整理を実施して、現在の活気あふれる街となりました。

・那覇市小禄金城地区

現在は、イオン那覇店やゆいレールも運行している街ですが、戦後は那覇飛行場の補助施設と使用されていました。1986年に全面返還され、14年間の区画整理事業を経て、現在の街が出来上がっています。

このように私たちが知っている場所も、区画整理によって、公共施設の整備や改善が行われ、住みやすい街となりました。

 

区画整理事業の流れ

①企画・調査

地域のまちづくりに関して、どのような施策が適切であるかを調査に基づいて計画し、方針を策定します。

②都市計画

公共団体が実施する土地区画整理事業、または組合が行う場合に国費を導入する予定がある場合は、都市計画を決定し、都市計画事業として実施する必要があります。

③事業計画

事業の基本方針として青写真を策定し、大臣や知事の承認を得る必要があります。組合による施行の場合は、組合設立の認可手続きを行い、公共団体による施行の場合は設計概要の認可手続きを実施します。

④換地設計

換地設計とは、事業計画に基づいて定められた設計図を参考にしながら、各個人の宅地を再配置することを指します。

⑤仮換地指定

新たに利用可能な仮換地の位置、形状、地積は、換地設計に基づいて決定されます。一般的に、仮換地の指定は、移転や工事の計画に応じて段階的に実施されます。

⑥移転・補償

建物などの障害物が存在する場合、契約に基づき移転補償金をお支払いいただき、建物を移転していただくことになります。

⑦工事

建物の移転後、道路や公園の建設工事、ライフラインの移設および新設工事、宅地の整地工事を実施します。

⑧換地処分

工事が終了し、必要な手続きが完了した後、土地・建物の登記の準備が整うと、換地処分が実施されます。この際、清算金も確定されます。

 

あまり耳にすることのない用語が使用されるため、いくつかの意味を記載いたします。

区画整理事業で使われる用語

 保留地 区画整理を行う際、土地の権利者は減歩と呼ばれる手続きを経て、自身の土地の一部を提供する必要があります。この提供された土地は公共用地(道路や公園など)や売却用の土地として利用され、その売却によって得られた資金が事業資金の一部を構成します。この売却対象となる土地が「保留地」となります。
 減 歩 「減歩」とは、土地所有者から宅地の一部を一定の割合で段階的に提供してもらうことを指します。この方法により、提供された土地を集約し、道路や公園などの公共用地として利用することが可能となります。
 換 地 土地区画整理事業によって整備され、以前の宅地(土地区画整理事業施行前の宅地)の代替として提供される宅地を「換地」と呼びます。
 仮換地 工事期間中において、従来の宅地の所有者がその土地を以前と同様に使用し続けることは、工事の進行に支障をきたす恐れがあります。このため、工事中に一時的に利用できる土地として提供されるのが仮換地です。
 清算金 換地の面積が減少しても、区画が整備され土地の形状が改善されれば地価は上昇します。そのため、原則として従前地と換地の価値は等しいと考えられます。しかし、実際には従前地と換地の価値が完全に一致することはないため、清算金の授受が行われます。

【参考:街づくり区画整理協会】

 

土地の売買は多くの複雑な手続きが伴い、しばしば難解になることがありますが、通常の土地とは異なる区画整理地内の土地は、特に複雑さが増す傾向があります。

そのため、区画整理地の特性を正確に理解することが、効果的な売買を行う上で重要です。

一般的な土地との相違点を把握し、区画整理地内での土地取引を円滑に進めることが求められます。

 

弊社では不動産全般のご相談を承っております。

どんなことでも、お気軽にお問い合わせください!

 

企画室 宅地建物取引士 上原優

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